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Audi TDIの電動コンプレッサー技術

先日、Audi RS 5 TDIコンセプトで発表された、アウディ新技術の電動ターボチャージャーシステム。クルマのあらゆる装置が電子制御化される中、今だ機械式で動き続けているのが過給機を電動化し、7kWと48ボルトの電気モーターがディーゼルエンジンの過給機の役割を果たす、というスタディーでした。ディーゼルエンジンの歴史に1ページを飾る大きな技術トピックです。

そこでVW/Audiによるディーゼルの歴史を遡りたいと思います。
1989年に完全電子制御式直噴ターボ「2.5TDI」がAudi 100に搭載されました。5.7リッター/100km(約17km/L)という燃費性能を有していました。
そして1991年に現在に続くディーゼルターボの重要なパーツの一つ「VNT(可変容量ターボチャージャー)」を搭載した「1.9 TDI」が投入されました。VGTは低回転域からターボチャージャーの効率を高める構造を実現するための重要なデバイスです。VGTの恩恵で1700rpmという低回転からトルクを発生させることに成功しました。
そして、2007年、TDIにコモンレールが採用されました。1997年にボッシュが乗用車用のコモンレールを量産開始した直後、ダイムラーがこのシステムを調達し「220 CDI」としてCクラスに搭載しました。TDIのコモンレール化は、メルセデスに遅れること約10年です。このコモンレール搭載が遅れた事が、先進ディーゼル=メルセデスという構図を許したような気がします。ただ、VW/Audiとしては、既に1999年に3L TDI(3リッター/100km走るという意味)を実現しており、コモンレールなど必要なかった、と言えるのかもしれません。

そして時は2014年。VGT、ガソリンエンジンのツインスクロールターボ/トリプルターボなど、ターボチャージャーの最大の弱点「過給遅れ」を軽減する施策を各社が重ねてきた中、暗雲を切り裂く矢のごとく、アウディが電動コンプレッサー技術を発表しました。電動モーターで直接コンプレッサーホイールを駆動し過給する、というシステムです。
電動コンプレッサー自体、大電動駆動による放電など心配点が指摘されていましたが、12Vのリチウムイオンバッテリーとは別系統にした48V電装システムにより解決を図ろうとしています。また、電動スーパーチャージャーによりエンジンサイズの小型化も期待できます。

「汚い、うるさい、重い」。日本人の多くの方が持つディーゼルのイメージだと思います。しかし欧州勢は環境エンジンとしてディーゼルエンジンの開発に邁進してきました。
キーファクターは2つです。コモンレールによる燃料噴射システムの高度化。そしてもう一つがターボチャージャーによる過給システム。
デンソーとボッシュは、遂に250MPaという超高圧噴射を実現しました。既に両社は300MPaまで見据えているようです。そして今回のアウディ&ヴァレオによる電動スーパーチャージャーによるマイルドハイブリッド化。
現在のディーゼル技術はEuro6などによる環境規制に鍛え上げられ、日本が誇るガソリン&モーターのハイブリッドテクノロジーを「遅い、重い、高い」という時代遅れの代物に追いやる勢いです。

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