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2014〜2015 Car of the Year by Eurocarfans.jp

環境性能とドライビングパフォーマンスの追求がトレンドに。

ヨーロッパ連合の環境規制「Euro6」では、2015年から欧州内で発売される新車のCO2排出量を平均130g/Km以下にするという厳しい規制を設けました。欧州メーカー各社はこの難題をクリアすべく、ボディ&シャシーの軽量化やパワートレインの効率化に邁進してきました。さらに、欧州の環境規制はこれに留まることを知らず、2020年以降は何と95g/km以下を目指すことになります。9速、10速のトランスミッション、電動スーパーチャージャー、クルマの48V化。現在の欧州でのテクノロジートレンドは全てこの95g/km以下のC02排出量を達成する事に繋がっています。
欧州カーメーカーはディーゼルだけではこの目標を達成出来ないと理解しており、来年からEVとPHEVのクルマが続々とローンチされます。注目はPassat GTEBMW 3シリーズの2台のプラグインハイブリッドです。

そして一方で、ドライビングパフォーマンスでの競争も熾烈を極めています。成熟した車社会を醸成する日本、そして特に欧州では、エココンシャスなクルマでは満足出来ないユーザー達が、強力な心臓と秀逸なトラクション性能を有したクルマを求めています。メルセデスAMGとVW/Audiによる4気筒ターボエンジンの最高出力を競う戦争は凄まじさを増しています(*VWはコンセプトモデルですが)。

当ブログでの2014-2015年のカーオブザイヤー。独断と偏見に公平性を込めて5台をピックアップしました。

第5位:Jaguar F-TYPE Coupe AWD

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AC300アルミ合金を活用したフルアルミボディ、前後重量配分50:50を実現する縦置きエンジンのフロントミッドシップレイアウト、アルミ合金製の前後ダブルウィッシュボーンのサスペンションシステム、電子制御バルブによりサイレンサー内部の排ガス流路を変動し官能的なサウンドトラックを作り出すアクティブエキゾーストシステムなど、スポーツカーの王道を行くスポーツクーペ。ウィンドウウォッシャータンクをトランクに移してまで前後重量配分50:50に拘りました。Porsche 911の独壇場だったハイパフォーマンスなスポーツクーペの世界に、Mercedes-AMG GT、そしてジャガーFタイプの2台が加わり、今後レベルの高い戦いを繰り広げるのでしょう。そして来年よりAWDモデルが加わります。中身は、センターデフロックとトルク配分機能を持つ電子制御式多板クラッチ、そしてフロントデフを備えるトランスファーギアボックスです。今や同郷のレンジローバーが持つ4WDに関する英知が取り入れられています。

第4位:Audi S1

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かつてWRCで活躍していた頃の「豪快なアウディ」が復活しました。環境対策のためダウンサイジングが常識化している今、このような痛快なクルマを待っていたドライバーも多いのではないでしょうか。4メートルにも満たないコンパクトボディに231psの高出力ターボエンジンを搭載した鮮烈の1台です。勿論、この出力はBセグメント最強となります。アルミ製ピストン&コンロッドを持つ直列4気筒2.0ℓのTFSIで、PFIとDIを備えたデュアルインジェクションを採用したハイテクユニットです。最大トルクは370Nmでわずか1600rpmで発生させます。「洗練さ」というブランドイメージのアウディがこのような情熱的なモデルをリリースしたことをきっかけに、Bセグメントのスポーツカーという新たなムーブメントが起こることを予感させます。

第3位:Mercedes-AMG GT

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アルミニウム製のスペースフレームにアルミニウムによるボディを組み合わせるという手法は前作のSLS AMGで培ったノウハウが生きています。アルミの使用率は実に90%以上。レイアウトはフロントミッドシップにエンジンを搭載し、リアに7速デュアルクラッチギアボックスを配置するトランスアクスル方式を採用してます。1955年の世界スポーツカー選手権で使用したメルセデス・ベンツ300SLR以来、トランスアクスルに拘っているメルセデスAMGです。エンジンはAMGが新開発したダウンサイジングエンジンを搭載。M176型と呼ばれる4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンです。2機のターボが直上に来るため高熱環境にさらされるシリンダーヘッドには軽量なジリコニウム合金を採用。アルミ合金より熱伝導いに優れ最高耐熱温度も高い。驚愕はこのV8エンジンの重量が209kgという軽さを誇る点です。

第2位:Jaguar XE

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熾烈な競争を繰り広げるDセグメントで、今年2台の素晴らしいクルマが発表されました。Mercedes-Benz CクラスとJaguar XEです。両車とも素晴らしいクルマだと思いますが、当ブログではJaguar XEに軍配を上げたいと思います。
Dセグメントのクルマにこんなにコストをかけて利益は出るのですか?と心配になるほど。BMW 3erをターゲットに開発したようですが、BMWのそれを遥かに上回るスペックを実現しています。ボディは75%をアルミニウム、しかもAC300を含む高張力アルミ合金を採用した軽量モノコックボディを採用。クラス最軽量(約1450kg)でかつ高剛性なボディが自慢です。しかもcd値0.26という優れた空気抵抗係数を実現。駆動はFRで前後重量配分は50:50を実現しています。シャシーですが、フロントサスペンション側には、部品点数が多く高コストなダブルウィッシュボーンを採用。「俊敏なハンドリングとしなやかな乗り心地に一切妥協をしない」という意思の表れです。

第1位:BMW i3

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2013年から続き2年連続でチョイスしました。大企業病に冒されたのかと思われたBMWはそうではなかった。このクルマ以上に革新的な量産車は現在存在しない、と1点の曇りもなく断言したい。経営陣の号令のもと、ボディ、エンジン、シャシー、電装、生産技術、品質管理、各部門からエース級エンジニアを投入したのでしょう。でないとこのようなクルマは生まれません。CFRP製ボディシェル+バッテリーモジュールをビルトインしたアルミ製シャシー。車重は重たいバッテリーを積んでも何と1,260kgです。しかも「BMWの憲法」である前後重量配分50:50を堅持。ちなみに日産リーフの重量は約1,700kgです。モーターをコンパクトにするために約2kmの巻き線をBMW独自の巻き方にしてます。バッテリーケースは独自の冷却システムを外部に開示したくないがゆえ内製。その他、ユニークなメカニズムを上げると切りがない。
ちなみに日本カーオブザイヤーの選考でマツダデミオとBMW i3が競争したようですが、単にCセグメントカーをダウンサイジングしたクルマと、クルマの素材となるCFRPを製造する工場まで竣工して生み出したクルマとを比べ、「実用性に優れる」という理由で日本車に高得点を付ける。「日本カーオブザイヤー」だから仕方ないのでしょうか。

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今年は、上記以外にもVolvo XC90Volvo S60 & V60 PolestarPorsche 911-Targaなど、魅力的なクルマが沢山発表された、まさに当たり年でした。来年も欧州メーカーの快進撃は止まりそうにありません。

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