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2015〜2016 Car Of The Year By Eurocarfans.Jp

暗雲で覆われる欧州自動車業界。

2015年の欧州自動車業界のビックトピックは?と聞かれると、フォルクスワーゲングループのディーゼルゲートに尽きるのではないでしょうか。事の詳細は当ブログでも再三にわたり書かさせて頂きましたので割愛しますが、この問題は想像以上に大きく、フォルクスワーゲングループが長年築き上げてきた信用を大きく失墜させ、2016年の業績に必ず大きな影響が出るはずです。「コンシューマービジネスはそれほど甘くない」。仕事の第一線でご活躍されている方も多いであろう当ブログの閲覧者の方であれば容易に解ることでしょう。

そして、それにも勝る懸念が、欧州自動車メーカーの「ディーゼル離れ」の兆候です。フォルクスワーゲンは、東京モーターショー2015で電気自動車分野を強化していく事を乗用車部門の取締役が発言しています。裏を返せば、注力していた「超精密機器」であるディーゼルエンジン開発の手綱を緩めるのか、とも受け取れます。本問題の後に、NOxという気体、そしてPMという固体の低減技術の研究開発に邁進する、とVWは発表するのかと思っていました。「クルマの電化」では遥かに先を走るTOYOTAやHONDAに数年で追いつけるはずもないことは欧州勢も理解しているはずです。VW/Audi、BMW、Mercedes、いわゆるビック3のプラグインハイブリッドはどれも良くない。100kg〜200kgにも達する韓国製リチウムイオンバッテリーを搭載することで、微妙に調律されているクルマの前後/左右/高低バランスが大きく崩れています。英国の自動車メディアのテスト走行での良いインプレッションを見た事がありません。まるで大容量バックパックを背負いながらトラックを走る陸上走者のようです。

2015年の欧州自動車メーカーの好業績を支えてきたのはディーゼルエンジンでした。この宝刀を御払い箱にするならば、まさに暗雲の時代へ突入した、といえるのかもしれません。
ここに上げる今年登場したクルマたちは、暗雲が覆う欧州自動車界に突き刺さる一筋の光と感じられるクルマ達です。

BMW M2

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全長4468mm、全幅1854mm、全高1410mmというコンパクトのボディサイズ。ブロック剛性を確保するためにクローズドデッキへと変貌した新型直列6気筒エンジン。エキゾーストマニフォールドに統合された小型のターボチャージャー。まさにBMWマニアの琴線に触れる仕様です。「ストレート6と後輪駆動に拘るのはBMWマニアだけだ」という評論には、よろこんで「私はストレート6と後輪駆動に拘るBMWマニアです」と遣返したいし、逆に、「2シリーズアクティブツアラーやニューX1は、フォルクスワーゲン/アウディのエンジニアリングと何が違うのか?」と問い返したい。筆者には明確に説明が出来ません。

アルファロメオ ジュリア

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「ジョルジオ」と呼ばれるFR用の新プラットホームを採用したアルファロメオ渾身の4ドアスポーツカー。アルファの文化である「電子制御は最小限に」というルールをこのジュリアでも堅持されているようです。①前後重量配分50:50 ②後輪駆動車 ③フロントサスがダブルウィッシュボーン、リアが5リンクというボディ&シャシー構成は、まさにマセラッティ ギブリの弟分と呼ぶにふさわしい。「エモーショナル」という観点でBMW M3と好勝負を繰り広げそうです。とにもかくにも、日本での公道走行が待ち遠しい。

フォルクスワーゲン ゴルフR ヴァリアント

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ゴルフRの限界点の高さ、そして快適性などの美点はハッチバックで実証済み。最高出力300ps/最大トルク380Nmを発生する2.0リッター4気筒ターボエンジン(EA888型)を搭載。このエンジンの素晴らしさは、ガソリンエンジンにも関わらず、380Nmもの最大トルクを1800rpm〜5100rpmの間でフラットに引き出せる点にあります。そして、1.8mの荷物を積み込める積載能力も魅力的です。オンロードでの高い走行性能も、アウトドアも両方諦めたくない、という方にはベストチョイスだと思います(価格は高いですが)。偉大なる実用車です。

メルセデスベンツ G500



2015年より大幅アップデートが施されたクラシックオフローダー「Gクラス」。驚いたのは、Mercedes-AMG GmbHがMercedes-AMG GTやMercedes-AMG C63などスポーツカー向けに自社開発したV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンを、何とオフローダーのG500に搭載するという点です。G500V8エンジンのボアxストロークは83.0 x 92.0 mmと発表されている事から間違いないと思われます。2つのターボチャージャーを90°Vバンク内に配置する(メルセデスでは「Hot Inside V」と呼ぶ)内側排気で、ターボの過給効率とレスポンスを高める狙いがあります。シリンダーヘッドは高価なジルコニウム合金製です。さらに重量は約200kgという軽量設計です。先代のG550、そして現行のMercedes-AMG G63に搭載される古めかしい5.5リッターV型8気筒エンジンから一気に若返りました。

ジャガー XE2.0 ディーゼル AWD

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2014年の登場以来、全世界で大ヒットとなっているDセグメントセダン「XE」に4WDモデルが追加されました。AWDのシステムですが、センターデフロックとトルク配分機能を持つ電子制御式多板クラッチ、そしてフロントデフを備えるトランスファーギアボックスで構成されています。通常は100%後輪を駆動しており、悪路に入ると各種センサーからの情報をトランスファーのECUが受け取り、より安全に速く旋回できるよう制御するオンデマンド型のAWDです。BMWのxDriveとコンセプトは良く似ていると思われます。ジャガーの兄弟会社で「AWD界のグールー」こと、ランドローバーからのノウハウが注入されており、システムの信頼性は折り紙付きです。このシステムにより、ジャガーはアウディもロックオンしました。

ポルシェ911カレラ フェイスリフト



遂にカレラのフラット6もターボ加給となりました。ポルシェが新しく開発した3.0リッター水平対向6気筒ターボエンジンは、左右2つのシリンダーバンクに小さなターボを2機搭載しています。このターボは電子制御式のウエイストゲートを備えるという贅沢仕様。さらに約5kgもの軽量化に成功しています。さらに、「フロントアクスル リフトシステム」という新たな車高調整機構も組み込まれ、左右のリアホイールに備わるふたつの電気機械式アクチュエーターを使って最大1.5度までリアを操舵する「リアアクスルステアリング」という新技術も導入されました。

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