その他

三菱自動車の燃費不正に思うこと「内燃機関の時代の再来を読めなかったか」

今週、衝撃的なニュースが日本を駆け抜けました。三菱自動車が製造・販売する軽自動車の燃費試験において不正があったという発表でした。燃費を実際よりも良く見せるため、不正な操作が行われていた、とのこと。

今思えば、MITSUBISHIは燃費性能の追求に熱心なメーカーでした。特徴的な技術は、何と言っても2011年に世界で始めて中核の直列4気筒エンジンのカム配置にSOHCを採用し、そして可変バルブタイミング機構を投入した点です。可変バルブタイミングをするには吸排気を別作用にするための複雑なロッカーアーム機構が必要となり、そうなるとDOHCで良いじゃん、となり、SOHCにする大きな意味が無くなります。それでもSOHCで可変バルブタイミング機構に挑んだのは、高回転を捨ててまでも「全ては環境性能のため」だったのではないでしょうか。「環境に配慮した技術を持つクルマが売れる」。日本でも「LOHAS」という言葉が一時期ブームとなりましたが、環境に配慮した商品にユーザーはプレミアム料金を支払う、という雰囲気が蔓延していたのが2010年頃だったと思います。

時は2015年。BMWが新エンジンとなる直列3気筒ターボ「B38」を発表し、出力は154ps/リッター、トルクは233Nm/リッターを達成しました。辺りを見渡すと100ps/リッターは当たり前となり、200Nm/リッターが新世代エンジンと呼ばれるために必要なスペックとなりました。ボルボのDrive-E、ジャガー&ランドローバーのインジニウムなど、新勢力の新世代エンジンもこのハードルを超えてきました。
MITSUBISHI MOTORSの2.0リッターSOHCエンジンのスペックを見ると、出力は75ps/リッター、トルクは95Nm/リッターというありさまで、BMWの3気筒B38エンジンの半分以下のパフォーマンスです。

MITSUBISHI MOTORSが「SOHC&可変バルブタイミング」を世界で始めて投入した事はもっと賞賛されるに値する事だと思います。とてもユニークな技術で世界の自動車メーカー誰もがなし得なかった事でもっとフォーカスされるべき技術だと思いますし、同じ日本人として大変誇らしく思います。ただただ、世の中が望んでいたものでは無かった、ということだけなのかもしれません。ディーゼルとガソリンエンジンの圧縮比を14で揃えたMAZDAのスカイアクティブも刺激的ですが、このMITSUBISHI MOTORSの技術ももっとフォーカスされて欲しかった。

MITSUBISHI MOTORSの存亡が危惧されていますが、「SOHC&可変バルブタイミング」のような個性を貫いた奇抜な技術で、この乱世を何とか生き抜いて欲しいです。

MITSUBISHI MOTORSの復活のポイントは「技術による前進」しか無いのではないでしょうか。クルマというのは残念ながらビジネスマンの経営能力やMBAの知識では作れなく、「技術のみがクルマを作り得る」という事を貫けるのかどうか、にかかっているのではないでしょうか。MITSUBISHI MOTORSは「ビジネスマン」が経営しているフォルクスワーゲングループの失敗(ディーゼルゲート)を反面教師にするべきです。

Show More

Related Articles

2 thoughts on “三菱自動車の燃費不正に思うこと「内燃機関の時代の再来を読めなかったか」”

  1. ホンダは1991年に「SOHC&可変バルブタイミング」を市販化しています。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/VTEC

    高出力のDOHC版に対して、総合性能のSOHC版という位置づけで、かなり広い車種に導入されているはずです。

    ご参考まで。

  2. SEKIDOGOさん、ご指摘ありがとうございます。大変失礼しました。欧州車のスペックばかり追っており、日本車ユニットの情報を調べる機械がないのですが、HONDAのエンジンも進んでますね。可変バルタイ&リフト、アトキンソンサイクル、クールドERGなど最新トレンドを取り入れているのですね。燃料噴射はPFIが多い気がします。DIはどうなんでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Close